良導絡療法

はじめに

全ての病気の軽快、治癒の基盤にあるものは自然治癒を促進することにあります。現代医学は、平均寿命を延長することには寄与したけれども、精神と肉体の老化を防ぐことにはまだあまり成功していません。高齢者に最後まで生産活動への参加を保証できるほど現代医学は強くないし、多くの”恍惚の人”の出現も覚悟しなくてはなりません。

科学は限りなく進歩するとしても、技術には常に限界があり、哲学的な医師の良心、倫理をわきまえていなければ功を急いで病人をモルモット化するような行動になりかねないと思うのです。

わたしたちは、誰もがいつまでも健康で人のお役に立ちたい、国の援助にもなるべく頼らずに寿命を全うしたいと希っております。

良導絡は、永年の歴史と経験をもった鍼灸医学の精神を、科学的な立場から検討を加え、理論を確立して近代医学の中で融合し、新しい理学療法として、予防医学、治療医学、障害の医学、自然の健康増進の医学の中で、より発展させることを心から希っています。

  • 基本「良導絡」治療
  • 著者 中根敏得
  • お問い合わせ・ご購入は当院までご連絡ください。

良導絡療法とは

悩む前に良導絡にご注目ください!

いろいろな治療を受けたがなかなか治らない。持病、難病に苦しんでいる…などとお悩みになっていないでしょうか。

現代医学は痛みや、症状を取り去ることだけに重点をおき、病気を根本から治していないことが多く、一口に肩こり、神経痛と簡単にいっても、そのかげには自律神経の狂いからくる様々な内臓の病気がひそんでいることがあります。

その病気を探り当てて、根本から肩こり、神経痛などを治すのが良導絡です。

良導絡治療は、京都大学生理学教室で故中谷義雄博士が研究発表されたわが国独自の理学療法です。1950年に発表されて以来、全国各地、海外にまで広がり、不治の病に悩める多くの人々に福音をもたらしています。

診療方法

① 自律神経(良導絡)の全身測定

  • ・良導絡ではノイロメーターという機械で自律神経の代表測定点の電流量を調べることによって全身の欠陥がわかります。したがって、患者さんが、どこが悪いと言わなくても、その測定によって自覚症状が解ったり、患者様自身が自覚していない症状も知ることができます。
  • ・治療経過中、治療効果の判定に全身測定を行います。
  • ・また予防医学上、常に健康を維持するため自分の身体の欠点を全身測定によって知ることが出来ますので、全良導絡測定は簡易人間ドック検査ともいえるのです。

② 治療法

  • ・測定によって異常があれば、その異常のある部分に治療を行いますが当院では主に電気はりを用います。小児には、はりのない電気刺激や銀粒貼布などで効果をあげています。

良導絡治療は、治り難い疾患にも特に有用な治療法です。

良導絡療法はどんな病気によく効くのか

東洋医学と西洋医学の相違点

西洋医学では、熱性疾患、伝染性疾患の場合、病名を求めるために種々の検査を行い、他の疾患との鑑別をして病名を決定した後、治療方針をたてます。病原菌などが解ると抗生物質を用いて細菌を攻撃しますが、病人の組織の抵抗力までも弱らせるので、再発を繰り返したり、慢性化させたりすることが多いのです。

東洋医学では、病名と関係なく、病人の脉診や腹診・舌診などにより病気と病人の抵抗力・体質などをかけあわせて現れた特定の共通した症候群を求めて漢方薬を与えて、細菌の侵入している部位の抵抗力を強めます。又、脉診により経絡の異常を診て、針や灸などを行いますが、これは自律神経の機能を調整して血液循環が良くなり新陳代謝が旺盛になるために、抵抗力を増強し、再発が起こり難いのです。

このように両者の作用や考え方が異なりますが、その特色を生かして東西医学の併用により、急性、慢性疾患をより早く安全に治癒させることが望ましいことです。