言語聴覚療法

言語聴覚療法・言語聴覚士とは

ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係しています。
病気や事故、発達上の問題などでコミュニケーションに関する機能が損なわれる場合があります。
ことばによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、声や発音の問題、聴覚障害、ことばの発達の遅れなど多岐にわたり、小児から成人・高齢者まで幅広い方が対象になります。

言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方を対象に、専門的にサービスを提供し自分らしい生活を支援する専門職です。

高次脳機能障害とは

高次脳機能とは言語や行為、知覚、記憶、認知、注意、判断、情動(感情)など大脳で営まれる様々な機能のことです。

病気(脳血管障害など)や事故によって脳に損傷を受け、記憶や注意・遂行機能・情動の障害や失語、失認、失行といった症状が現れる場合があります。このように後遺症として記憶、注意、行動、感情、言語などに障害が残った状態を高次脳機能障害といいます。

主なことばの障害・高次脳機能障害の症状

失語症

脳が損傷されたことにより、それまで不自由なく使っていたことばが、聞いて理解できない、ことばとして思い出せずうまく伝えられない、文字を読んだり、書いたりすることが難しいなどの症状がでる病気です。

認知症とは違い人格や判断の能力は病前と変わりません。

運動障害性構音障害

脳損傷によって、口腔構音器官(舌・口唇・咽頭・喉頭)の運動障害によって、話し言葉が損なわれ、発話が不明瞭となり聞き取りにくくなる障害です。

言語発達障害

小児では発達全般が遅い場合もありますが、きこえには問題がなくても、なかなかコミュニケーションがとれない、ことばの発達が遅いなどの問題が出てくる場合があります。

記憶障害

思い出すことができない、また新たなことを覚えることができないなど、記憶に関する障害です。日時や場所、人の名前などが覚えられない、物の置き場所を忘れる、同じことを繰り返し質問するなどの症状がみられることがあります。

注意障害

ぼんやりしていてミスが多い、二つのことを同時に行うと混乱する、作業を長く続けることができないなどの症状がでます。

遂行機能障害

自分で計画を立てて物事を実行することができない、自発的に物事を始めることができない、物事の優先順位がつけられない、いきあたりばったりの行動をするなどの状態が見られます。

言語聴覚療法の対象者

  • 1.脳梗塞や脳出血、くも膜下出血等の脳血管障害で脳損傷後、言語(ことば)に関することでお困りの方
  • 2.脳梗塞や脳出血、くも膜下出血等の脳血管障害などや事故等で脳損傷後、高次脳機能障害でお困りの方
  • 3.病気が発症してから180日以上経過して、他の保健医療機関(病院・医院)では言語聴覚療法を受けられない方
  • 4.他の保健医療機関(病院・医院)で行っている言語聴覚療法の回数を増やしたい方
  • 5.介護保険制度を利用してデイケアに通っていても十分な言語聴覚療法を受けられず、個別で受けたい方
  • 6.言葉がなかかなか出てこない(言語発達遅延)お子さん
  • 7.その他、言語聴覚療法をご希望の方

当院では、コミュニケーション手帳を診療を受けた方に差し上げております。